カイケンコーポレーション

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【Featuring SAiN71】当たり前を作り、受け継ぐ。

2021.12.27

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    「新年、明けましておめでとうございます。」

    こう言って、おせち料理をいただいたり、「今年はこんなことに挑戦したいなぁ。」と心に決めたりして、お正月を迎えられる方も多いと思います。

    そして、子ども達は、「お年玉が貰える嬉しい時期」という捉え方をしているかもしれません。

    いずれにしても、お正月を特別な時として感じながら過ごすことは、私たちにとって「当たり前の感覚」です。

    けれども、アメリカのお正月は、とてもあっさりとしています。

    私たちが「年末年始休暇」というのに対して、彼らは「クリスマス休暇」と呼び、十二月二十日あたりから休暇をとり始めます。

    そして、年始は、一月二日から通常通りに仕事をされる方もたくさんいらっしゃいます。

    こんな違いを一言で「文化の違い」と言ってしまえば、それまでですが、もう少し丁寧に見ていくと、暮らし方と人との間に深い関係が見えてくるような気がします。

     

    【ただあるものの風景を楽しむ】

     

    「秋の京都と言えば…?」と言うと、多くの方が紅葉と答えてくれます。

    昨年の秋は、例年のように物凄い人出だったとは言えませんが、それでも、遠方から紅葉を楽しみに京都に来られた方もいらっしゃいました。

    外出しにくい中であっても、そんな方々がいらっしゃるのだから、より紅葉が楽しめるようにと、水鏡を準備し、中には、より綺麗に紅葉が反射するようにと、水の中に入れる染料を工夫されているところもありました。

    いつ頃からか分かりませんが、「紅葉は京都で楽しむもの」という感覚を多くの方が、当たり前のこととして認識するようになったために、水鏡のような工夫も誕生したのではないでしょうか。

     

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    また、「日本の名滝百選」などの言葉があるように、私たちは滝のある風景が大好きです。

    ところが「名噴水百選」という様な言葉を耳にすることはありません。

    技術的には、ダイナミックな噴水を作ることもできるのでしょうが、不思議と、噴水との距離を感じるものです。

    日本で暮らす私たちは、なんとなく自然のままの姿が身近で美しいと感じるのが当たり前になっている気がします。

     

    【地域や家庭で見られる当たり前】

     

    「当たり前」というのは、小さな地域や家庭にもたくさん存在します。

    例えば、私の家では、次のような事が「当たり前」です。

    ・学校から帰宅したら自分の弁当箱を洗う。

    ・夜ご飯のためのご飯は次男が炊く。

    ・洗濯ものは兄弟で取り込み片付ける。

    もちろん、この様なことが当たり前にできる様になるまでには、相当な時間がかかりました。

    慣れるまでは、「〇〇くんの家は、全部親がしてくれるらしいで。ええなぁ…。」なんて何度も言われたものです。

    けれども、一旦、こうした事が当たり前になってしまえば、不満が出ることは無くなりました。

    きっと、歩道を歩いている時に、人がやって来たら道を譲るというくらいの感覚になれたのだと思います。

    今、次男は、米研ぎに自信があるのか、水加減は目盛りなどを見ずにバッチリ合わせられるようになったと喜んでいました。

    最初は面倒だと感じていたことの中に、楽しみが見つけられたようです。

    風景や家事の中にある「当たり前」は、ほんの些細なことかもしれませんが、もう少し丁寧に見ると、人の幸せと「当たり前」は深い関係がありそうです。

     

    【日本ほど歩きやすい国はないと言われる理由】

     

    海外の方と話す中で、よく言われるのが

    ・日本はとても歩きやすい。道を譲ってくれる。

    ・店員さんだけじゃなく、その辺にいる人もとても親切。

    だと言われます。

    きっと、あなたも似た様な話を聞いたことがあると思います。

    では、なぜ、改めてこの様なことが言われるのでしょうか。

    もちろん、その要因を一つに絞ることはできませんが、「アンパンマン」の影響も大きいと思います。

    子ども達は、幼い頃から保育園や家で、アンパンマンの絵本やアニメにたくさん触れます。

    ご存知の通り、アンパンマンは、困った人がいれば、自分が多少、犠牲になっても助けようとします。

    誰かを助けるために、自分の頭に穴が空いてしまいますが、その姿が格好いいと感じられる様に作品が書かれています。

    この様な作品にたくさん触れるからこそ、私たちは、自分の損得を抜きにして、「誰かのためにできることをしよう」と思えるのが当たり前になっているのだと思います。

    近年は、いろいろなものの技術が進歩しているために、幸せをもたらしてくれるのは、モノやサービスだと考えがちですが、「当たり前」を作り出す暮らしを考えてみるということも一案にしたいと思うのです。

     

    子どもの頃は、お正月に酔っ払った大人同士が「まぁまぁ、今日ぐらい飲んだらいいやん。」とお酒を勧め合う姿が不思議でした。

    そんなにお酒が好きなら、一人占めした方が得なのに…なんて思ったものですが、今はその気持ちが分かる気がします。

    私たちは、「自分と周りの人が幸せになって初めて幸せを感じる」というのが当たり前の文化の中で生きているのです。

    紅葉が綺麗だなぁ…と感じるのも、落ち葉となった後、栄養のある土へと変わり、また新たな生命の源になるからじゃないかなぁと思います。

     

    落ち葉とアンパンマン。

    全く違うものに見えますが、似ているところがあり、共に日本の優しさの原点になっている様にも見えるのです。

     

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    京都府宇治市

    渋谷浩一郎