カイケンコーポレーション

MENU

【Featuring SAiN64】カンナ屑を「鰹節みたい」と言っていた息子が高校受験 〜変化するものが実は変化しにくい?〜

2020.04.09

    IMG_7896

     

    今年の冬は、例年より随分暖かく過ごしやすかったです。京都では二月になってやっと雪が降ったのですが、その翌日には、春の様な陽気となり、私の家の近くの山では、うぐいすが鳴き始めたのです。

    あなたもこの十年で、気候も大きく変わったなぁと感じたことがきっとあるはずです。もちろん、変化したのは気候だけではなく、私たちのくらしも大きく変わりました。こう言うと、何だか歳をとったような気分になってしまいますが、仕方ありません。

    実は、空気がうまい家を施工していただいている時に、現場のカンナ屑を「鰹節みたい」と言って喜んでいた息子が、今年は高校受験を迎えました。我が家にとっては一つの節目になるので、この十年を振り返ってみたいと思います。

     

    【音響熟成木材って無垢材だから、やっぱり傷んでくるものですよね?】

     

    私が音響熟成木材と出会った頃、「やっぱり傷んでくるものですよね?」と質問をしたものです。心のどこかに「住まいはずっと傷まず綺麗なものであるべき」と思っていたのでしょう。

    ところが、返事は真逆のものでした。

    「音響熟成木材は生きていますから、どんどん変化しますよ。傷むこともあれば、怪我が治るように修復されることもありますよ。」

    最初は、こんな話を信じることはできませんでしたが、空気がうまい家で暮らし始めると、「木材が生きている」と実感することができました。

     

    ・ぞうきんがけをすると木の香りが漂う

    ・コマを回してできた傷がいつの間にか見当たらない

    ・子どもがこぼした油のシミがいつの間にか消えた

    ・経年とともに艶が出てきた

     

    こんなことを体験すると、信じられなかった「音響熟成木材は生きている」が確信に変わりました。

    つまり、変わるはずもないと思っていたものがゆっくりと変化していっていることに気付かされたのです。

     

    【人は当然、どんどん成長するものです】

     

    私は、もともと小学校の教師をしていましたから、勉強や進路に関する相談を受けることがあります。

    「このままの成績ではまずいので、なんとかしてください。」

    「子どもの大学受験がうまくいくようにしてください。」

    こうした相談に来られる親御さんは、「子どもはどんどん成長する」と思っていらっしゃいます。

     

    もちろん、私もそう思っています。ところが、なかなか思ったように事は運びません。むしろ、思わぬ方向に進むことの方が多いと思います。

    つまり、どんどん良い方向に変わるはずだと思っていたにも関わらず、そうとは限らないということを、私たち大人は子どもに教わるのです。

     

    uji02-1

     

    【変わらないと思っていたものは変わり、変わると思っていたものが なかなか変わらない】

     

    こんな話をすると、昔話に出てくる「あまのじゃく」を思い出す方もいるでしょう。ところが、「変わる・変わらない」を見る時の視点を少し変えると、音響熟成木材の変化も子どもの成長もとても素直なものに見えてきます。

    その視点というのが、「時の長さ」です。

    例えば、学生さん達のテストの結果をすぐに伸ばすには、どうすればいいか考えてみましょう。いろいろな方法がありますが、「一夜漬け」の詰め込み勉強をすれば、多少、結果は得られるでしょう。ただ、それでは、学ぶことの楽しさや感動は得られないために、「表面的な変化」に留まってしまいそうです。

    一方、音響熟成木材は、変化はするとは言っても、先月と今月ではどんな違いがあるのか全く分かりません。それでも、この十年で変化してきたことは確かです。明らかに、なんとも言えない「艶」が出て、私たち家族のライフスタイルに合わせて変化してくれているように感じます。そして、このゆっくりとした変化を改めて感じながら、十年後の我が家はどうなっているだろう?と想像してみました。実は、「今と大きく変化していないだろう」と感じたのです。

    ゆっくりと時間をかけて、私たちの暮らしに馴染んできてくれた音響熟成木材は、立派に成長してくれたと思うのです。

    「一夜漬けの勉強」をした学生さんは変わったかの様に見えたけれども実は大した変化がなく、一ヶ月単位では、全く変化が感じられなかった音響熟成木材は、確実に私たち家族に合わせて成長してくれたのです。

    そう考えると、子どもも木も「現代人は急ぎすぎだよ。もう少し長い目で物事を見る視点が大切じゃないか?」なんてメッセージを私たちに投げかけてくれている様に思います。

     

    IMG_6238

     

    この冬、長男は、受験のために朝早くから勉強しているにも関わらず、バスケットボールが大好きな次男は、リビングでドリブルの練習をしています。

    ドンドンとボールをつく音が家中に響きわたっていますが、誰一人として怒る人はいません。家族全員が「まぁ、それでもいいか」という感覚なのでしょう。

    私たち家族は、次男の酷いアトピーに悩まされて空気がうまい家での生活を始めたのですが、アトピーが完治したという事以上にたくさんの事を、住まいに十年という期間を通して教わった様な気がしています。

     

     

    京都府宇治市

    渋谷浩一郎