創業15年設立10年を振り返って

カイケン史

第一部

平成11年12月5日、鹿児島県国分市(現霧島市)にて、介護器具の販売を行う「介護器具研究センター」を立ち上げました。
これが現「カイケンコーポレーション株式会社」の創業です。

この年から介護保険制度が施行され、介護市場に色々な企業が参入を始めた時期でした。
私は資金がほとんどゼロの状態でしたので、そんな状況でもスタート出来る手摺の製造、販売から手掛けました。

最初は一軒一軒を個別に訪問する飛び込み営業でしたので、なかなか計画通りには買っていただけず苦戦の毎日でしたが、個人販売から事業者販売へ切り替えたことで少しずつ変化が現れ始めました。 私の性格にもそれが合っていたようです。

鹿児島には旅館を始め、ホテルや家族湯などの温泉施設が多数点在しています。
もちろん事業者販売は個人販売よりも販売金額が多く、一気に売上を伸ばすことが出来ました。
ですが手摺だけを販売していたのでは将来的に不安があり、新たな一手を計画しなければと悩んでいたそんな矢先のこと。

鹿児島県薩摩郡宮之城町(現さつま町)の健康村(家族湯)に手摺の販売に訪問した際、竹炭の商品が販売されているのを見て、何か心を動かすような、熱いものが込み上げてきたのです。
その時私は、竹炭を利用した商品販売をやろうと決意し、竹炭の研究、開発をスタートさせました。

当時、シックハウス症候群による弊害の増加が気に掛かっていましたので、竹炭を利用してシックハウス対策商品を造り、一人でも多くの人々を病気から救うことができないかと、研究、開発に奔走しました。

炭自体には様々な効力があります。
特に南九州は湿度が高い地域ですので、床下の湿度調節に使う調湿炭や土の中に埋めて使用する埋炭として元々利用されていました。

私の目的は、炭をシックハウス対策として利用することでしたので、室内の空気を浄化したり、化学物質を分解することを最優先としていました。
室内の空気環境を良くするには、膨大な量の竹炭を要します。
それ故、これまでの様な利用の仕方では問題解決にはならないと感じており、室内全てを賄うことは現実的ではないと、考え方を切り替えました。

その後、炭の持つもう一つの特徴に、人体の健康維持や健康増進という効果があるということに気付き、炭を身体の近くに置くことでその効果を最大限発揮する商品、竹炭入り「清活畳」を完成させました。

この「清活畳」が、私が手掛けた健康自然建材の第1号商品です。
平成12年(2000年)4月のことでした。

シックハウス対策として室内の空気を浄化し、化学物質を分解する建材には、まだ日本中どこのメーカーも目を向けておらず、気密性や断熱性能の向上を目指した内装材などが目立ち、ビニールクロスや新建材、集成材等の石油化学製品が増加していき、益々室内の空気環境の汚染が深刻になっていきました。

その頃、大阪府堺市の保育園で、園児約30人と保育士さんがシックスクール症候群の健康被害を受けたという番組がテレビで取り上げられ、家と健康被害の関係性について国民の関心が集まりました。

私は早く化学物質を分解する建材を造らなければと、益々研究と開発に力を注ぎ、その試行錯誤の末完成したのが、化学物質を吸着し分解する健康自然建材「幻の漆喰」でした。

この「幻の漆喰」の誕生により、室内の空気環境を守り、安全で本当の意味での健康な家づくりの大きな前進となったのです。

[第二部に続く]